「大丈夫大丈夫、君こそ大丈夫?」



そう言ってニコッと笑ってくれた私がぶつかってしまった男の人は、歳は20少しくらいの高身長で黒髪の爽やか、いわゆる好青年という奴で少しドキッとしてしまった。



「平気です、ありがとうございます」



顔が少し赤くなったのを悟られないように少し俯きながらそう言う。



「彼氏くん、ちゃんと彼女ちゃん支えてあげないとダメじゃないか」



私をにっこりと見つめた後そらのほうをみてそう言う。



その声の後ろでは私たちが降りる駅の名前を呼ぶ駅員さんの放送の声が聞こえる。



「わっ、私たち別につ「次からはちゃんと俺が支えますよ。さっきはこいつを支えてくれてありがとうございます。じゃ」



私が男の人付き合ってないと弁解する前にそらはきつい言い方でその人にそう告げると私の腕を引いて丁度着いた電車から降りた。