月 —Moon—




「…っ、み、さっ、」




未紗があたしの代わりに薬を取り出して渡してくれた。




「魁斗さん、伊世から離れてください。」




未紗がこの男に言った。



手も退けてくれた。




「…でも、」




「はやく。」




「…わかったよ、……またね、伊世ちゃん。」




しぶしぶあたしから離れた“魁斗”という男。