月 —Moon—




「いつきてもデカイし怖い家だよね〜。」



怖い家ってなに。



確かに一般家庭ではないけれども。




家族は仲良いし、うん、外見は普通じゃないけど中見は普通だよ。




「意味わかんない。」




「怖いじゃん、だってさ、ほら。」




未紗が指差した先にいるのは組員。





あたしたちは廊下を歩いている。



組員とはすれ違う、当たり前にね。




その度、あたしの方を見て止まって挨拶してくれる。