月 —Moon—




「それがあたしだって諦めて。」



「ははっ、わかってるよ〜。ふぁーあ。」



またまた欠伸。



そんなあたしたちのところに黄色い歓声が聞こえてきた。



「まーただよ、今日はきたんだね。」



未紗は頬杖をつきながら窓の外を見た。



それにつられて、あたしも見ると例の黒い車。



またあの男?



そして無意識に視線を送っていた。