月 —Moon—




「うん、ほんと。」



あたしは、ニコッと笑って言ったが全く効果はなかった。



「あたしに嘘なんて100年はやいね。さっき、見てたじゃん、あの車。」



そう言って未紗が指差した車はさっきの車だった。



…さすがです。



「…目が合ったんだよね。」



「え⁉︎それってさ、もしかして黒髪の男?」



黒髪…うん、黒髪だった。



「そうだけど?」