月 —Moon—





「わーお、ごめんね?」



ちょっとびっくりしたみたいで、すぐ謝ってきた。



なんなの、朝から絡んできてさ。



低血圧なの、あたし。



だから、朝は来ないでよ。



というか、朝限定じゃなくて1日中あたしに構わないで。



「…。」



魁斗の謝罪も無視して、あたしはスタスタと自分の教室に向かって行った。




「……あーあ、どうやったら心開いてくれんだろーな。」




魁斗が伊世の後ろ姿を見てそうボソッと呟いた。