月 —Moon—




隆二side



伊世のやつまじで帰りやがった。



それも面子たちの目をくぐりぬけて。




「伊世ちゃん、大丈夫かなぁ。」



賢太郎が俺を見て言ってくる。



それ、遠回しに見てこいって言ってるだろ。




俺はバイクのキーを持った。



「ちょっと見てくる。」




そう言って部屋を後にした。




ヴォンッッ!!



バイクのエンジンをならして、溜まり場の周りをぐるぐると探してみるが見当たらない。