月 —Moon—




しかも学校早退したことになるのかな?



あ、徹也もしかして学校まで迎えに行ってくれてたのかな。



皐月も、もしかして探しまくってたんじゃないの?



あちゃー、やってしまった。




そんなことを1人で考えながら歩いていたら目の前に見慣れた車が止まった。



フルスモークのいかにも怪しい車。



怪しくも何もないけどね、徹也だし。



あたしは、ドアを開けて乗り込んだ。




「…ごめん、徹也。」



「大丈夫です。」



徹也は、軽く微笑んで車を走らせた。