月 —Moon—




鞄を持って廊下を皐月と歩いていたら徹也が話しかけてきた。



「おはようございます。」



「「おはよう。」」



皐月と返事が被った。



「クスクス。今から学校ですか?」


皐月とあたしがハモったことが面白いらしく少し笑っていた。



「そうだけど?遅いってか?」



その態度が気に入らないのか皐月は少し不機嫌だ。



「まぁ、確かに遅いですが…。送って行きましょうか?」



「あ?」