月 —Moon—




塔郷 隆二、賢太郎、魁斗、湊からの視線がひしひしと伝わってくる。



この状況を説明しろ、とでも言われている気分だ。



特に塔郷 隆二。




「なにがあったんだよ。」



隆二からの視線が痛い。


「…なにもない。」



「何も無かったら、未紗がそんな辛そうな顔しねぇだろ。」



塔郷 隆二がそう言うと、未紗がまた泣き出しそうに。



「急に倒れるわ、未紗は泣き出すわ、なんなんだよ。」




「…どうしてそんなにあたしに干渉してくるの、………もう、放っておいてよ。」



あたしは顔をそむけてそう言った。