月 —Moon—





「あれ、伊世ちゃんたちおいで〜。」



おいで、と言いながら腕を引っ張られた。


これは、連行と同じ。


あたしたちは、好意で来たわけじゃない。



「…。」



中に入って亞空鴉の男たちからヒシヒシと視線を感じる。



「紹介するね〜、こちら皆様お馴染みの西條 伊世ちゃん、で隣にいる子は工藤 未紗ちゃん。伊世ちゃんといつも一緒にいるから連れてきた〜。」