それから夕方まで龍は寝ていた
「ん…」
「あ、龍起きた?」
「ん…さくら…」
「ん?あ、そうだ龍、熱はかろっか」
「ん」
ピピピ
36.5度
お、平熱に戻った
「熱はないね、もう辛くない?」
「ん…」
もう辛くはないみたい
じゃあ、そろそろ帰ろっかなと思い
「龍?そろそろ帰るね」
と言い帰ろうとすると
グイッ
ポスッ
「さくら…行くな、そばに居て、ね?」
なーんて仔犬みたいな顔で言われた
そんな顔で言わないで〜
帰れないじゃん!
「分かった、今日はここにいる」
私も1人暮らしだ
だからどうせ家に帰っても誰もいないの
「ん…」
龍は私を抱きしめながら首筋に顔をうずめた