もうすぐ駅に着いてしまう。

先輩と私の家は逆方向。

私はバス。

水樹先輩は電車。

時刻表では私のバスの方が先に出発するんだけど……


もう少し、一緒にいたいなぁ。


ここは田舎町だから、バスも電車も本数が少ない。

一本逃すと長く待たないといけないのはわかってる。

それでも、先輩と少しでも長く一緒にいられるなら。


迷惑かけたから見送りますとか、変かな?


そんな風に、一緒にいられる口実を一生懸命考えていると。


「明日はプール清掃か。涼めるかな?」


水樹先輩に話しかけられた。