私が胸に小さな感動を感じていると、会長が声を発する。


「にしても、着いたらとんでもない状況で寿命が縮むかと思った。ていうか縮んだかも」

「会長しぶとそうなんで、縮むくらいで丁度いいっスよ」

「玉ちゃんドイヒー。つか、水樹お前なんなの」


藍君に軽く文句を言ってから、突然水樹先輩をジトッと睨む会長。


「んー? 何が?」


水樹先輩が相変わらず仰向けに寝転んだままで言葉を返すと、会長は顎をくいっと動かして。


「その手」


と、視線をよこす。

その視線の先にあるのは──


「あっ」


多分、ずっとそうだったのだろう。

安堵しすぎて気にも留めていなかったから、今の今まで気付かなかった。


私の手と、水樹先輩の手が繋がれたままなのを。