「うん。ありがとう」 むずがゆい空気を破ったのは、神谷さんのその一言。 勇気を振り絞って、 顔を上げて隣にいる彼の顔を覗く。 やっぱり、いつもと同じくキャップがそれを邪魔する。 けれど、しっかり見えた。 困ったように笑うとこ。 その瞬間、私フラれるんだなって思った。 その顔も、返事の始めのその言葉も、 全部全部"あの"フラれるときの感じだなって今更ながらに思った。