「抗生物質の飲み薬、一週間分出しておくから。一日三回必ず飲むように。」 そう言ってから、真っ直ぐに向き直った。 「森山くん、美桜を助けてくれて本当にありがとうございました。」 「いえ。俺、たまたま通りかかっただけなんで…。しかも、こんなケガまでして逆に迷惑かけちゃって。」 「そんなことない。本当に君が居てくれて良かった。」 頭を下げなが言われた。 こんな風に娘を思っているのに、どうして家族はバラバラになってしまったのだろう…。