気がつくと、シャワーの音が聞こえなくなっていた。 リビングのドアが開く。 「眠れない?」 心配そうな声を背中で聞いた。 「今日は…満月なんだ。」 美桜はゆっくり歩いてくると、俺の隣に立った。 夜風に揺れる髪が、月明かりに照らされキラキラ光っている。 まるで涙ように… 美桜の髪から、光が一粒こぼれ落ちた。