汚れが取れると、次は左手に優しく触れ傷口を観察する。 少し動かすたびに、傷口が開いては閉じる。 「遥希くん、シャワー浴びて来て。」 「えっ?!シャワー? 何で?」 突然の美桜の発言に、思わず声がうわずる。 「変な意味じゃないですっ。」 美桜は慌てたように続けた。 「単純に汚れを落として来てって言いたかったの。 だって、髪にも血がついちゃってるみたいだし…それに傷口にも細かい砂とか入ってるから。 タオルで拭き取ると痛いと思って…。」 何だか、その慌てぶりが可愛い。