店内からは、店を出ようとする美桜に向かってまだ話しかける声が聞こえる。 今日はいつもより呑むのを控えたつもりだったけど、少しだけ火照った顔に夜風か心地良く感じた。 「ごめんな、皆な酔っ払いで。」 「大丈夫。楽しかったよ。」 「そっか。なら良かった。」 美桜がタクシーで帰ると言うので、とりあえず駅前まで送ることにした。 美桜と出会った交差点。 昨日はこの道を、美桜の手を引いて走った。 今日は2人、ゆっくり並んで歩く。