週末、春斗が退院した。




会えていなかった時間の分だけ一緒に居たかったから、春斗の部屋に居たけれど、春斗はまだ本調子じゃなさそうだから、自分の家に戻ることにした。






「私、自分の部屋に戻るね」



「里桜、ちょっと…話がある」



自分の部屋に戻ろうとした私を引き止める春斗。




「話って……?」





「あのさ…。

今は俺、病気の症状があまり出てないけど…これから、だんだん出てくると思うんだ」





「うん…?」




「今回、入院したのは病気のせいじゃないけど、もしこれから俺が倒れて、入院することになっても…里桜は…大丈夫か…?」




「それって…?」





「辛くないか?」






え…。






まさか私…春斗のこと、不安にさせてしまったの?






「辛いよ?でも…大丈夫だから…。春斗が入院してたって、会えないわけじゃないんだから…。だから、大丈夫!」





私は精一杯の笑顔で言った。







「…そっか」





春斗はそう言って、ベッドに横になった。





これ以上話すことがないので、私は春斗に、



「ごめん、夕飯の支度するから…帰るね」


と言って、部屋に戻った。