嫌な予感がした。


春斗が……何処かに行ってしまいそうだと思った。



私は少し怖くなったから、春斗の手を握って、小さな声で言った。




「春斗。私は幸せだよ?春斗が隣にいてくれるだけで」




そう言ったら、春斗は目を開けて言った。






「じゃあ…もし俺が、お前の隣にいられなくなったら?」





……え?

……どういうこと?



「それって…?」


「俺が………いなくなったら…?」





……いなくなる?





「もしそうなったら、里桜、絶対泣くだろ?」




「そ、そんなの…当たり前でしょ!泣くに決まってるでしょ!」




「そうだよな…。じゃあ、もう俺さ…、お前のそばにいられない」


は…?


「なに言ってるの?」



「だって、お前…俺がいなくなったら、泣くって言ったじゃん。いちいち泣かれるの、嫌だし」




春斗…まさか…。





「ねぇ、春斗。春斗は…いなくなっちゃうの?」





「……そうだよ」