「その程度の気持ちで…よく私に、紹介してなんて言えたよね!


愛するより愛されたい?告白してくれた彼氏もなかなかのイケメンだったから?


馬鹿言ってるんじゃないわよ!


恋愛っていうのは…そんなに軽いものじゃない!


もっと、切なくて苦しくて……もう、言葉で表せないくらい、深いものなの。


とにかく!その程度の気持ちが、誰かを傷つけるってこともある。


それをちゃんと理解しなよ!」





さっきの怖いという気持ちは、どこかに行ってしまったみたいだ。



でも、大きな声で言ったせいなのか、教室にいる人、全員に見られた。




まあ、運良く春斗はいなかったから良かった。





「あんた、何様?」



絵理沙はさっきとは別人のような低い声で言った。



うん。


やっぱり、こうなっちゃうよね…。



せっかく今まで自分を偽って、必死に嫌われないように過ごしてきたのに。




今ので、全てが水の泡。




だけど…すっきりした。




「あんたのそういうところ。前からほんとに嫌いだった」




「うざい」




「いい子ぶりっ子」



彼女たちはそう言い放って、教室を出て行った。



そのとき。



「大崎さん、かっこよかった!」


教室の中にいた、二人の女の子が言った。


「え…あ、ありがと…」



「大崎さんって…好きな子いるでしょ」


二人の女の子のうちの一人が言った。


初めて話した子にも見抜かれちゃった。



「うんうん。さっきの言い方だとね…。好きな子に対する想いとかも入ってたような気がするし…?」


もう一人も言う。


「う…うん…いる……よ」



初対面の子と話すのが苦手な私は、つい声が小さくなってしまう。