私は、一人で海に行った。 そう、病院の近くの、あの海に。 ザザザザザザ… 波の音が聞こえて、心地良い。 この海に初めて来たのは、初めてデートした日だったね、春斗。 なんだか、あの日からこの海はまったく変わらずに、ここにあるような気がする。 私は、あの日のように、砂浜に座る。 あの日と、何も変わらないように、ここに海はあるけれど。 私の隣に、春斗はいない。 それが、私にとって、とても大きなことなんだ。