「…ママ…ママ…」 ボーッとしている私に、何度も何度も葵と夏生はそう繰り返した。 まだ、春斗がこの世界にいないという現実を受け止めきれない。 だけど…。 私は、葵と夏生をギュッと抱きしめて言った。 「二人とも。帰ろっか?」 そう、笑顔で言った。