「そっか。よかった」


春斗のその笑顔を見たとき、少し罪悪感を感じたけれど…。


もし、本当の自分の気持ちを言ったら、きっと春斗は優しいからとても心配すると思う。

小学校のときもそうだったから…。



小学校二年生のとき。


体育の授業の前に、私が着替えようとしたら体育着が絵の具やクレヨンで汚されていたことがあった。


どうしよう、これじゃあ体育出れないし…。

誰がやったのかな…。

そう思いながら泣きそうなのを堪えていたとき春斗が、

「先生。大崎さんが具合悪いみたいなので、保健室に連れて行ってきます!」

って、大きな声で先生に言ってくれた。


そのうえ、保健室に着いた途端、力が抜けて泣き出した私の手をギュッと握ってくれてたっけ。



優しくて、かっこ良くて、少し意地悪なところもあるけど…。


私の自慢の幼馴染の春斗。

だからこそ、もう心配なんてかけられない。

私が学校で、今のままみんなに合わせて笑ってれば、何も起こらない。


前見たいに一人ぼっちになることなんてない。


だから………大丈夫。