「ぐすっ…ぐすん…ひっく…」
「里桜、泣き過ぎ」
「だっ…だって…」
さっき見た映画、やばいよー…。
最後の終わり方、悲し過ぎる…。
「わーん、わーん…」
「全く、俺が泣かせてるみたいじゃん」
「だって…でも、春斗もさっき少し泣いてたよね?」
「泣いてないし」
「泣いてた!」
「泣いてない!」
「嘘だー!」
「嘘じゃない」
そんなことを言い合っているうちに、私の涙はすっかり止まっていた。
「いっぱい泣いて、すっきりした!次どこ行く???」
「……泣いたり笑ったり忙しい奴だよな、お前って」
へ?
「そうかな?」
「うん。昔からずっと。見てて飽きない」
「春斗も、見てて飽きないよ!かっこよすぎるもん」
「…はぁ、そうですか。っていうか、これからどうする?」
なんか春斗、顔赤いような…?
「これから?どっか、遠いところ行きたい!」
私は冗談交じりにそう言った。
「じゃあ、海…行く?」
「えっ?」
春斗は私の手を握って歩き出した。
水着持ってないけど…。
なんで、海???