君がいてくれたこと




「うッ..痛..」


声さえまばらにしか出ない。

自分の身に何が起こってるのかすら、分からない。



そう思った瞬間、車が止まった。



運転席と思われるほうから、ドアの開く音がした。


そして、数秒もたたないうちに、トランクのドアが開いた。


ドアから洩れる、かすかな光。


「何..すんの...。」


かすれた声しか出ない自分。


恐怖しかなかった。