そういえば、あのとき…


お気に入りの白い浴衣を着ていったけど、俊くん、何も言ってくれなかったよね…


まさか俊くんも浴衣着てたし。


すっごくかっこよくて、あたしは終始ドキドキしてたけど…


俊くん、なんで何も言ってくれなかったの!?


あのときは、なんだかいつもと違う俊くんに夢中で、そんなこと忘れてたよ。



「俊くん…何も言ってくれなかった」

「照れてたんじゃないの?」



照れ…?


でも俊くん、そんなことくらいで照れるかなぁ?


普通に肩に頭のせてきたり、キスも人前でも平気でしちゃうのに?


あの日も…不意打ちで…ちゅって…


きゃー!



「さくら…顔赤いよ」

「えっ!?」



優子の呆れた声が聞こえてくる。


うそうそうそっ!


思い出し照れって、恥ずかしすぎ!!