その頃。

露の両親である春日陸と、綺は医師との会話を楽しんでいた。


「ほんと、よかったわー、露も無事に目が覚めて」

「そうだね、綺ちゃん」

「……目覚めた時、なにかおかしな様子はありませんでしたか?」


医師が職務を全うしようとしている中、両親は用意された丸椅子に座り茶会のようにはしゃいでいる。

というのも、露が目を覚ましたという知らせを二人から受け、容態を診に病室へ行こうとしたら、ふたりに


『今は霧くんがいるからもう少し二人きりにさせてあげて』


と言われる始末。