分かってる。 分かってるけどね満くん。 「ごめん、ごめんね」 それでも私には 隆平のいない場所で楽しさを見つけるなんて無理なんだ。 「私、そんなに強くないから……」 一人じゃ、何も出来ないの。 元々の私は、怖がりで誰かが居ないと何も出来ない弱いやつなの。 「ごめん……」 私はそれだけを言って電話を切った。 もう一度かかって来た着信には出なかった。 家から出ないでおくる最低限の生活。 机にたくさん貼ってある写真を見返すことはあっても 外に出て誰かと話す気にはなれない。