勝ち目なんて無い。
抵抗した所で、捻り潰される。
どう抗ったって、
わたしは逃げられない。


……そんなの、最初から分かってた事じゃない。

どうしてわたしは抵抗していたんだろう。



……ああ。



もう、考えるのも
馬鹿らしくなってきた。

どうせ逃げられないんだ。
抵抗するだけ無駄なんだ。
なら、諦めてしまおう。



無駄な抵抗は……………………。



彼の力が緩められる。
拘束から解放されたわたしの手はぱたりと、力無く地面に落ちた。