お姫様と若頭様。【完】


俺が今やることは逃げることじゃない。





目の前に困ってる奴がいるなんて、
今までどうでもいいことの1つで、

自分には関係ないと思ってた。



今はとても、
"関係ないこと"だなんて、
到底思えないんだ。





目の前にある、

"仲間の背中"




その背中がこんなにも大きく見えて
仕方ない。


…俺が求めてたものの1つは
きっとこれなんだ。




こいつらを助けて、
この先の可能性を幾つも潰して…。


自分の人生を考えての後悔なんて、
この喧嘩の後でいくらでもしてやる。




でもそんな後悔なんて、
ここでこいつらを見捨てたことの
後悔より対したことないだろ?


こいつらに背を向けるくらいなら、
俺はこの先の人生に背を向ける。




それくらいの決断をさせるこいつらは
本当に凄いな。


手を差し伸べてしまいたくなる何かが
確実にこいつらにはある。