その言葉に固まる。
「…彩狼?」
なんとなくこいつらが"彩狼"であることは分かった。
「……彩狼を知らないの?」
なんだよ、その微妙な間は。
「彩狼は私たちの族の名前です。
ここら辺の地域は私たち彩狼が
管理しています。
全員で100人程度の少ない族ですが
一応ここら辺では1番を張ってます。
最近不正を働く族が増えたので
人数を増やそうかと考えていたんです。
元々幹部の私たちが直接見て入れるって
いう感じで仲間を増やすんです。
それで翠はあなたを連れて来た…と」
そう説明する真面目そうな奴。
…っていうか俺は別に
仲間なんて要らねぇ。
「…どうでもいい……」
そう言って腕を振り切ろうと
腕に力を入れる。
だががっしりと掴んで離さないこいつに
さらに腕に力を入れる。
するとやっと離れた腕。
こいつらに背を向けると…
「お前は上を目指したいとか
思わないのか?」
そう真剣な声で言ったのは飯島。
「……興味ない」


