急に腕を引っ張られて
もしかして気づいたのかと思えば、

この男も気づいてなかったのか。




「なんで翠は連れて来たんですか…?」




「えっ、だって…こいつ路地裏で
たくさんの男を1人でやっつけたんだ!


皆に見せようと思って!」


そう無邪気に笑うこいつは
俺のことをただの物としか思ってねぇ。




「…用ないなら、俺帰る」




そう言って出口へ向かうと
すかさず掴まれた腕。



…こいつ……。



キッとそいつを軽く睨む。



「用あるよ!

ね?だから帰らないでッ!」



俺は用ねぇ。




「お願い!彩狼に入って!!」