「彩狼の姫、
案外簡単に捕まるんだなぁ?
あんなショボい護衛つけて
姫を守れるとでも思ってたのか?
なぁ、闇虎(あんたけ)?」
「あんな数相手にするなんて
骨が折れると思ったけどね、祥羅」
そう言って現れたのは…
「お前…」
と如覇君の声が聞こえる。
周りの反応を見るとやはり、
知っていたようだ。
「…國館先輩……」
闇虎 改め 國館 東佐良
生徒会役員 兼 黒炎副総長
「よぅ、彩狼さん。
はじめまして…でもないか。
如覇ぁ、
よくこの間は邪魔してくれたなぁ?
折角の会長さんとの楽しみを
てめぇの所為で逃したじゃねぇか」
と忌々し気に如覇君を睨む國館先輩。
お楽しみって…。
あれのどこが。
あの時のキスの感触を思い出し、無意識に鳥肌が立つ。
「えぇ?だって会長嫌がってたじゃん?
それにさぁ?
校内新聞の一面独占したくないだろうなぁって親切心でやったんだけど…
気に障っちゃった?」
そう言って首をコテンと傾ける如覇君は
きっと確信犯。
「チッ」
と國館先輩の舌打ちが響く。


