【楪side】
凱瑠に言われ仕方なく辿り着いたここ。
「とうとう来ちゃったなぁ…」
いくら仕事が関わってくると言えど、
本当は良くないんだよね…。
足取り重たいまま前へと進む。
罵声が聞こえ始め、場所がだんだんと
近づいていることを知る。
悪蛇として手に入れた情報を
フル活用している私。
何気役に立つもんだなぁ、
意外なトコで。
そんなことをひとりで感心していると
突然聞こえて来た声。
「お前ら、とっとと最後やれ!」
聞き覚えのない声。
それに…最後?
「あっ…」
急いでそちらの方向へ走って行く。
ソロ〜っと影から覗くと
たくさんの人が倒れる中、
彩狼の幹部達と
それに向かい合う人達。
たくさんの人が倒れてるのを見ると
その殆どが彩狼じゃない。
…こんな数相手にやってたんだ……。
無謀とも思える程の数。
ザッと見た感じ、
彩狼の5倍はいるであろう
武器を持った相手。
それを今はこんなにも減らしている。
ただ今はそんなこと言ってられない。
彩狼9人に対して敵は200人近く。
そして今、そのうちの一人、
いや、二人が倒れた。
多分見た目からして組の人かな?
それに皆傷はさほど負っていないものの
体力が限界に近いかもしれない。
総長の陣宮以外、皆肩で息をしている。
その中でも翠と瑞は特に苦しそう。


