予定通り学校に着き、予定通り鋭い視線と罵声を浴びた。
だけど隣にこの人がいるからか、
暴力などはなかった。
前に道が出来て、彼と同じ族の子なのか部下なのか頭を下げている子もいた。
そんな道は
居心地の悪さが半端なかった。
そのまま教室まで送ってもらい、
やっと解放される…そう思っていた。
教室に入るといつも異常に冷たい視線、
罵声。
自分の机に行くのが
いつも以上に辛かった。
やっぱり、私の机…ない。
誰かが投げたのか、教科書など机に入っていた物と共に校庭に投げられていた。
仕方なく教室を出て荷物を取りに行こうと後ろを向いたその時だった。
ーバンッ!
「おっはよ〜!」
凄い勢いとともに開いた扉。
そこにいたのはこのクラス唯一の暴走族に入っているという廻坂 渚さん。
言い方が少しきつい所もあるけどこんな私に唯一話しかけてくれる女の子。
お姉さん的な感じで皆に慕われている。
族の関係で忙しいのか、
あまり学校に来ることはないけれど。
「え、なになに?
なにか面白いことでもあった?
皆の笑い声外まで聞こえてたよ〜」
その言葉にシーンとなるクラス。
彼女は正義感が強く、
曲がったことが大嫌い。
だから皆が私の机をこんな風にしたなんてことがバレたら絶対に怒る。
怒った彼女は族に入ってるってこともありかなり怖い。
皆もそれを恐れてか、
彼女のご機嫌を取る姿が多々伺える。
だけど、さすが廻坂さん。
この辺な雰囲気を察してか、皆が言うな言うなと視線を送っている私の方へと歩いてくると、私の前に立った。


