お姫様と若頭様。【完】





嬉しい…って、そう思うのが普通?






だけど…

「私、皆さんに守ってもらう資格なんてありません…。

さっき聞きましたよね?


私、皆に嫌われているって。


こちらの方もおっしゃっていたじゃないですか?
ここの名前に傷がつくって。

私なんて姫にしたら評判も落ちます。



…私は、大丈夫ですから」


本当は大丈夫なんかじゃない。


族なんてこの世で一番関係ない存在だと思っていた。

だって、パパが禁止したことは今まで一度だってやったことない。


それはパパが正しいと信じているから。



私とは違って才能に溢れたパパとママ。兄弟の萩兄・ヒナ。

私だけ、本当に普通の人で。


特技も、特技と呼べるほど凄くない。
頭も良くないし、運動も出来ない。

あんな家族の中、1人だけ普通の私。


それが小さい頃からコンプレックスだった。












「総長の命令は絶対です」



だけど、現実はそう甘くない。