それから少しして黒縁眼鏡君が説明してくれた。
「あなたと泪が一緒にいるのを他の族に見られていたようですね」
えっ…あの男たちがバラしたんじゃないの?
そんな疑問を受けってか教えてくれた。
「因みに言いますとあの男たちはこちらでそれなりの罰を与えたので絶対にそのことに口を割りませんよ」
…それなりの罰って、何をやったのだろうか。
怖くて聞くことは出来ないけれど。
「それで先ほど言ったように、あなたは狙われています。
そこから情報が流れてしまった所為で今この周辺のここを狙うほとんどの族はあなたを探しています。
ここはあまり弱点がないですから。
あいつらはあなたを姫と勘違いしている。
姫はチームの守られるべき存在。
そして、チームの唯一の弱点だ。
力の象徴と結束の証。
それが姫です。
そして、
姫は総長の女、ということです。
あの日泪があなたを守ったことが今回の噂が流れる鍵となったのでしょうね」
チームの象徴…結束の証…
そして、総長の女…。
私、そんな凄い存在じゃない。
守ってもらう価値なんて、
私には全くないのに。
「"一般人には危害を加えない"
それがここのルールです。
理由はともあれ、あなたに何かあれば、私たちがあなたに危害を加えるきっかけとなってしまう。
そんなことがあっては
ここの名前に傷がつく。
そのため私たちは話し合ったんです」
そして彼を視線を向けた。
「英捺 聖、
彩狼総長・陣宮 泪の名の下、
お前を第4代目彩姫に任命する」


