お姫様と若頭様。【完】



「えっと…え?」



なぜ彼が謝るの?

言ったのは違う人なのに。



「このチームの責任をとるのはトップの役目だ。

命を下したのも俺だ」



「あ…えっと…頭上げて下さい。





…もう、いいです」


謝られても、
言われた事実は変わらないのだから。







「楓」


また黒縁眼鏡を呼んだ彼。



「…はい。

実はある族があなたを探しています」


「はっ…え?族?」


族って…暴走族のことだよね?
なんで暴走族が…。


「あっ…この間守ってくれた…から?」


そうだ、あの時相手に顔を見られてたから…。


「…あっ、あの、ごめなさい。
迷惑をかけてしまって…」


すると驚いたようにこちらを見る4人。

彼はさほど驚いていないのか、それとも興味がないのかこちらを見てはくれないけれど。


「えっ…と…」


皆に見られて少しどもってしまう。


何か言ってよ〜…。