一応泪が一通り話し終えると
聡さんの眉間には皺が寄っていた。



「あ、あのねパパ。

私が皆に言わなかったから
皆は知らなかったの。

だから私が悪いの!

皆を責めないで…?」


そう言って目をうるうるさせる聖に
少しクラッときている様子の聡さん。

…マジか。


それでも目を鋭くし俺らを睨んだ。



「…聖さんを守れなかったのは
俺らの責任です。


たとえ彼女が峯ヶ濱だろうとそうじゃなかろうと守ると決めた人を守れなかった俺らに責任があります。


本当にすみませんでした」


立ち上がって頭を下げる泪に続いて
俺らも立ち上がり頭を下げる。




ずっと頭を下げていると
突然降ってきた声。






「聡君、謝ってくれてるんだし
許してあげたら?

聖ちゃんが無事だったのも
この子達のお陰なのよ?」


ほんわかと優しい声が聞こえた。


少し高めのその声はどこか、
聖と似ている。


「…ここには来るなって言っただろ?」


そう聡さんが声を掛ける女性。


この人は確か聡さんの代の姫だった人。


「こんにちは、聖の母で聡君の妻です」


にこりと笑った女性に更に眉間に皺を
寄せる聡さん。


するとその人を引き寄せ
ギュッと抱きしめた。



「他の男に笑いかけんな」


そう言って威嚇して来る聡さんは
独占欲丸出し。


近くに座るひじりんはとても恥ずかしそうにしていた。



「パパ!ママ!!
皆がいるんだから止めてよ…もうっ」