【楪side】



目が覚めるとそこは、
ゆーちゃんの病院だった。


「ん…ゆーちゃん、おはよ」

「チッ、なにがおはよだ楪。

お前散々言ったよな?
無理すんなよって」

「あーもーわかってるってば。

元々無理なんてしてないから」


そう言ってフンッと顔を背けると
頭を掴まれ振り向かされる。




「お前なぁ、俺は医者だぞ?

お前の体調を管理するのが俺の役目だ。

それをよぉ、お前の都合で邪魔されたくないわけ。わかる?」


真剣な表情のゆーちゃん。

…私の心配なんかしないでよ。



「わかってるよ、ゆーちゃん。

…それでも私が峯ヶ濱だってこと、
忘れないで。

多少の無理をしてでもやらなきゃ
いけないの。それが私の仕事」

「……ったく、
ガキが仕事とか言ってんじゃねぇよ」


そう言って不器用にガシガシと頭を撫でてくれるゆーちゃん。



その手はいつも、温かい。