「ムッ、なに?ヨル」
顔が怖いヨル。
それだけで怯えるほど、
私は女の子女の子してませんけど。
「こっちに来い」
そう言って怖い顔で座っているヨル。
紅蓮総長なだけあってかなりの迫力。
…でも私だって紅蓮の姫だもの。
「いーや!碧志が良いの〜」
そう言って碧志に腕を回し
余計に身体を密着させると
ピクピクと動くヨルの眉。
…相当怒ってんな。
「おい、碧志…離せ」
「は、はぁ?!
くっ付いてんのは楪だろ!!」
と、助けてオーラを出す碧志。
…なんか見てて可哀想だ。
タタタッとヨルの方に駆けて行った。
碧志可哀想なんだもん。
ーギュッ
そして前から抱き付いた。
「喧嘩ダメ…ヨルぅ」
お願いをする目でヨルを見る。
碧志可哀想じゃん。
碧志だけに顔が真っ青。
「…んで………」
「え?」
「…いや、なんでもねぇ」
私の顔を見て、
なんでもないと言ったヨル。
絶対にボソッと何かを言っていたのに、
なぜ隠すのだろう…?
きっと聞いても
答えてくれないと思うけど。


