途端に訪れる静寂。

あたしを抱きしめる拓の腕の力が強まった。


「何やってんだよ……」
「ごめ…なさい……」


なんで謝っているのか……
なんで怒っているのか……


お互いに、そんな理由なんか存在しない間柄のはずなのに
その言葉が出てきたのはごく自然で

ただぎゅっとお互いにしがみついた。