俺は箱の中に下着とカードを戻した。

マンションの隣りには俺の兄貴の恋人が住んでいた。

前に彼女とちょっとトラブッたが、兄貴にはまだバレていなかった。

俺は隣りの莉花へ箱を届けに行った。

呼び鈴に応答がなかった。

試しにドアノブを握ったらカギがかかっていなかった。

「ったく、物騒だな、カギもかけないでよ、上がるぜ!」

ガチャリと音がした。

「貴明さん、今日は寄らないって言ってたけど、来たのかしら?」

私はバスルームを出て、先週届いた新しいランジェリーを試着していた。

ライトピーチ色の透け度100%、これ以上透けないくらいの布地だった。

短めの裾にぐるりとフリルが付いて、胸元にパラの飾りがあった。

左右に分かれたボレロ風で、ストラップは太目で同じ布地でフワフワしていた。

揃いのTバックは、クロッチ部の面積が限りなく極小で、つける意味が全くないしろものだった。

「やだわ、これじゃ、着てないのと同じじゃない。」

私は鏡でちらりと後ろ姿を見てため息をついた。