「それだけだ。じゃ、俺帰るぜ。」俺は早々に社を出た。

あっぶねぇ、殴られっかと思った。

兄貴のやつ、相当だな、ありゃ。

あいつら互いに伝え合ってないのかよ。

昨日俺があの女にキスしてヤバくなかったか?

兄貴と三角関係だなんて、死んでもご免だぜ。

その前に半殺しにされちまう。

俺は帰宅後、メールした。

『莉花、俺とはもう会わない方がいい。それだけだ。貴弘』

やれやれ、俺が莉花に夢中になる前に気づいて命拾いしたぜ。

兄貴とはライバルになりたくねぇからな。