それでも僕は君を離さない

奈々はランチタイムも資材室にいるのだろうか。

社内のカフェテリアで彼女を見かけたことは一度もなかった。

俺が一人静かに昼を食べられる日はなかった。

必ず誰かが同じテーブルについた。

「ここいいですか?」

他部門の女性社員3人に囲まれた。

「どうぞ。」

席は他にもたくさん空いているだろ

と俺は言いたかった。

ランチの間その3人はしゃべり通しだった。

俺は聞かれたことには適当に答え

頭の中は奈々のことでいっぱいだった。

坂下は彼女の何だ?

ミーティングの時は付き合っているようには見えなかった。

過去に付き合っていたと確信しているが

あの時の二人の雰囲気は決別を表していた。

坂下が彼女に与えたストレスはかなり大きかったに違いない。