それでも僕は君を離さない

私は席から立ち上がれるかを心配した。

神経がすり減ってへとへとになったからだ。

笹尾先輩と透吾さんがこの場にいなければ

もっと楽しいミーティングになったかもしれないと思った。

ミーティング・ルームを出るまで二人とは目を合わせたくないとも思った。

最後に拍手をしてお開きとなった。

先輩がすぐに席を立ち先頭を切って部屋を出て行ったのを

私は視野の端でとらえて安堵した。

一方透吾さんが私を気遣うような視線でいるのを雰囲気でわかっていたけれど

私は目線を落としたままドアへ向かおうとした。