それでも僕は君を離さない

私は発言した。

「人間の欲求とは男女によってかなり違いがあると思います。」

すると私以外の全員が一斉に声を上げ始めた。

「男女に差はない。」

「基本的には同じだ。」

「違いがあって当然よ。」

「そもそも欲求の塊なのよ。」

「欲求があるから前進できる。」

「欲求が社会の基盤だ。」

「欲求こそが人生だと思う。」

一瞬静かになったので私は小さく言った。

「何かをしたいと思うことは人それぞれだと思います。」

するとまた全員が口々にしゃべり出した。

「何をしたいかは一つだけではない。」

「たくさんあるわ。」

「あり過ぎて全てを叶えることはできない。」

「一つずつ達成していくことが生きがいだ。」

「たった一つでも難しいと思う。」

「その一つに人生をかける人もいる。」

「こうしたいこうなりたいという夢だ。」

円卓を囲む7人全員が私を見た。

私は思ったことを口にした。