「おはよう。」透吾さんだった。

「お、おはようございます。」

「どうかした?」

私の様子が変だと気づかれたかしら?

「いえ、ちょっとびっくりしてしまって。」

「毎朝ここに寄ろうかな?」

「お時間は大丈夫なんですか?」

「全然。」

「そうですか。」

「どうした?何か悩みごと?」

彼にはごまかしが効かないと私は承知していた。

「今度話します。」

「オーケー。僕には何でも言っていいよ。わかった?」

「はい。」

「じゃ、行ってくる。」

「行ってらっしゃい。」

私は笑顔で彼を見送った。

たぶん引きつった笑顔で。